2008年05月08日

庚午年籍と八色の姓

最初に吉報です!
『どこでも史料問題』の納品が早まりました。
5月13日に発送を予定していましたが、
最速で10日に発送できそうです。
12日の月曜日にはお手元に届くかと思います。

さて今日の話です。
古代史には、漢字が同じために混乱しがちな用語がたくさんあります。
たとえば、大和政権の
「部民」「部曲」「田部」「品部」「物部」とか、
「大伴」「伴造」「国造」「国司」「郡司」「郷司」とか……。
そのためにも、一問一答的な知識ではなく、
いくつもの用語をわしづかみにして、
そのうえで、用語同士の相違点をつかむことが大切なのです。

今日紹介する質問もそうした混乱の一つかもしれません。

<Sさん>
早稲田予備校にて「現役日本史」の講座を選択しております、Sと申します。前々回の授業の内容に一つ疑問点があり、自分なりに多少調べてみたものの、なかなか納得できる説明が見つからないのでお聞きしたいのですけれども、「庚午年籍は氏姓をただす根本台帳として永久保存された」とのことですが、これは天武時代、「八色の姓」を導入して氏姓制度を改変した後にはその役割を終えたということでよろしいのでしょうか。また、そうであるとしたら、永久保存することに意味はなくなったのでしょうか。お返事頂けたら幸いです。

<石黒>
根本的に勘違いしていると思います。
庚午年籍は戸籍ですから、
戸ごとに各人の姓名・続柄・年齢などが記されたものです。
基本的に当時のすべての人々が登録されました。
それに対して八色の姓の「カバネ」は、
皇族・豪族をランク付けするもので、
一般農民には何も関係ありません。
一般農民にはカバネは与えられていないからです。
庚午年籍と八色の姓を関連づけることができないのが
わかるでしょうか。



一つ一つの用語を、自分勝手な思い込みではなく、
かといって、細かすぎる辞書的な知識でもなく、
受験日本史に最適なレベルで正しく理解することが重要です。
そのことに早く気づけば、効率よく難関大合格に到達できます。
気づかないまま1学期を終えると、
取り戻すのはかなり困難になってしまいます。
「受験日本史に最適な知識」を後で教科書や用語集から得るのは、
大変難しいからです。
電子辞書が論外であることは言うまでもありません。
長い文章を読んで、何がポイントなのかがわかる人は、
世の中にそうそういないものなのです。


酔っぱらい蛙





先日、これをくださったAさんは、
「受験日本史に最適なレベルで正しく理解する」ことを、
大変うまくこなした人です。
なんと理系だったのに、高三から受験日本史に取り組んで、
みごと早稲田に現役合格してしまいました。

彼女からはこんなメッセージもいただきました。


やるならとこトン






この裏にはお手紙がついていて、

いつも頭の片隅に先生がいらっしゃって
「これやったら先生時間もったいないっておっしゃるだろうな」etc
想像しながら自分なりに工夫してやっていた

とありました。
大学生になった今もそのクセが染みついているそうなんですが、
社会に出てからもそれを続けてください。
仕事のデキル女性になってほしいものです。
お土産とお手紙、どうもありがとうございました。

石黒拡親
石黒拡親

愛知県出身。1990年、東京学芸大学教育学部卒業。早稲田予備校・河合塾講師。
入試問題分析を20年続けてデータ化し、2万の用語の出題率を取っている。
「ウソはったりのない、入試に直結する講義」を強くこころざし、受験生には「考える力をもってもらいたい」と強く願う。

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